自分の中の”女”を全く受け入れていなかった
先月、止まっていた生理が再開したんです。生理がこない間は楽だったなーとか、またPMSが始まるのかーなどと少し煩わしい気持ちになりました。だけど、久しぶりの下腹部痛を感じながら、自分の体がようやく母から女に戻ろうとしているのを感じ、変な話ですけれど少し愛おしい気持ちが湧いてきたのです。
というのも、上の子の時は産後10ヶ月くらいで再開したのに、今回は1年6ヶ月と、だいぶ長くかかったんですね。その間、夫に対しては母親としてのアイデンティティで壁を作ってきたものですから、せっかくやってくれているオムツ替えに文句つけたり、洗濯物の干し方に苛立ったり、私という女はだいぶ可愛くない生き物だったんです。なのに夫は、そんな私でもランチに誘ってくれて、最近よく二人で出かけるようになりました。
嬉しいことなんですけど、いつも子供の前でガル母の自分（ガルガル期の母親）をぶつけていた私です。夫と二人きりだとどんな顔をしていいのか分からなくなるんですよね。急に妻としての自分に切り替えることが出来なくて、ずっとぎこちなかったんです。だって私は自分の中の”女”を全く受け入れていなかったから。
生理が戻ったのは丁度そんなタイミングだったと思います。いつもは私が娘をお風呂に入れるのに、「今日からしばらくお願い」と言うので、夫も察したのかもしれません。さりげに車道側を歩いてくれたり、荷物を持ってくれたり、私のカツレツを切ってくれたり（がっつりかよ）、大事に扱ってくれるのが少しずつ見えるようになってきました。
そうされると、なんだか涙が出てくるんですよね。髪がボサボサでも、きちんとメイクが出来なくても、おっぱいがはみ出ていても、身振りかまわずいつも娘優先でバタバタ育児に奮闘してきた自分が、本当は悲しくて仕方がなかったのだなと感じたんです。「私にだって”女”させてよ」って、本当は言いたかったのかもしれない。とても惨めな気持ちだったのかもしれない。もっと甘えたかったのかもしれない。
そんなモヤモヤや悲しい気持ちが、生理が再開したことによって、精神的にも自分は女であったことを自覚させるきっかけになったのだと思うのです。「もう母親として気張り過ぎなくて良いよ、女に戻っていいよ」と、まるでもう一人の自分に許可を出されたような、そんな気持ちになりました。
自分らしさを解放したきっかけは”閉経”だった－マキエマキ－
こういった、生理とアイデンティティの視点において、私とは対照的なきっかけが、女であることの自己表現活動に結びついた作家さんがいます。マキエマキさんという方です。
数年前に、【50歳でホタテビキニをまとったセルフポートレート】が話題になったのをご存知でしょうか。私は何かの記事で一度見かけてから釘付けになり、それから彼女の活動や表現の動機について調べるようになりました。
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