違う違う。こんなふうに伝えたいんじゃないのに。
「伝われば良いことと、自分が表現したいこと」。
この狭間で表現の方向性に悩む方が多くいらっしゃいます。伝わることが目的と、表現することが目的とでは、一見似ているようで全然違うプロセスを踏み、現象を引き起こすからです。
先日それでちょっと、私自身も後ろめたい体験をしました。娘が高熱を出した時のことです。
上の子と違って、よく熱を出す娘1歳。今回は何の前触れもなく39度以上が続き、いつもの風邪とは違った雰囲気だったんです。土日だったので様子をみている間にググってみると、突発性発疹というのが怪しいなと行きつきました。症状もほぼ書かれているとおり。それでよくよく調べていると「原因はほとんどが両親からの唾液感染」という記述があったのです。
私は上の子の時から、赤子への何らかの唾液感染には敏感でした。どんなに可愛くてもチューはしない、ほっぺベロベロもしない。とても徹底していたんですね。だけど夫はその辺、割とゆるいタイプでした。私の見てないところで、娘にゼリーやデザートをあげ、自分も同じスプーンでぺろっと食べたり、可愛さのあまりにほっぺをベロベロしているのを、陰ながらに知っていたんです。
何度か「スプーン変えて」と指摘することもありました。だけど隠れてでもやっているし、私も正しいか正しくないか専門知識の曖昧な価値観で、夫の機嫌を損ねるのも嫌だなぁという気持ちもあったので強くは言えなかったんです。
そんなモヤモヤが自分の中にあったのでしょう。夫の行為に対しても、自分の気持ちに対しても、見てみぬふりしていたところでこの現象が起こったのです。
これはまさに、こんな情報が自分の目に入ること自体、普段私が夫に言いたいことが言えていないストレスが溜まっていたということ。「きちんと夫と話そうよ。私の気持ちを分かってもらいたいよ。」っていう、心の奥からのサインだったのかもしれないのです。
それなのに私は今回、そんな自分の気持ちを無視するような行動をとってしまいました。どうしたかと言うと、病院から帰った私は夫に、こんなふうに伝えたのです。
「突発性発疹だって。両親の唾液感染が原因って”先生が”言ってたよ」
違う違う。こんなふうに伝えたいんじゃない。心がチクッと痛みます。
「えー…そうなんか…」
夫は軽くショックを受けた様子で、その後、きちんとスプーンを変えてくれるようにはなりました。一見、晴れて私の目的は達成されたようにも見えます。だけど、ちっとも心が晴れませんでした。私はもっとこんな風に、自分の気持ちを伝えたかったのです。
「確証はないけど、唾液感染が良くないって聞いたから、ペロペロは控えているんだよ。保育園でもそりゃたくさん感染源はあるだろうけど、自分ができることは出来るだけ気をつけたいからだよ。だからあなたもペロペロは気をつけて欲しいよ。ペロペロしたいくらい可愛いのは知っているよ。それは嬉しく思うよ。だけどペロペロがさ、ペロペロが原因で保育園休むってなったらさ・・あなたは普通に仕事するけど、私がやりたい事できないじゃない。こんな気持ちでいる私に寄り添って欲しいんだよ。」
なのにうまく言えるか分からない不安や、ちゃんと向き合ってくれないんじゃないかという恐れがあって、「先生が言っていた」と表現し、手っ取り早く目の前の問題を解消することを選んでしまったのです。
もちろん、「夫のペロペロを辞めさせる」というのが今回の本当の願望であれば、私の口から私の言葉で伝えなくても良いわけなのです。夫が素直に言うことを聞くであろう権威ある誰かの言葉を借りてでも、それが「伝われば」良いわけですから。
だけどこれをやってしまうと一方で、「私がこんな気持ちでいたんだよ。私の気持ちを分かって寄り添って欲しかったんだよ」という気持ちは、夫には伝わりません。私の願望は未解消のままで、モヤモヤを抱き続けることになるのです。
このように、「相手に伝われば良いのか、自分が表現したいのか」で、表現方法も向き合い方も変わってきます。「伝わればOK」「相手が動けばOK」と思うのであれば、どんな形であっても伝わる表現方法を選ぶと良い。だけど、実は「自分が表現したい」心の奥底の願望があるとしたら、どこかで心がチグハグしてしまうのです。
”分かりやすさ”より”表現したい思い”を形にしたローソンPBリブランディング
では逆に「自分が表現したい思いを形にした」としたら、どんなことが起こるでしょうか。例を一つ紹介しましょう。
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